心不全とは?
心不全とは心臓の機能が低下して、全身に十分な血液が送り出せなくなった状態を言います。大きく急性心不全と慢性心不全に分けられます。さらに左心室の機能が低下したものを左心不全、右心室の機能が低下したものを右心不全と言い、それぞれで現れる症状が異なります。また両方の心室の機能が低下する両心不全という状態もあります。
心不全の症状
- 労作時の息切れ
- 疲れやすくなる
- 全身倦怠感
- 手足の先が冷たくなる
- 足のむくみ
- 肌の色が悪くなる
- 安静時の息切れ
- 呼吸困難
このような症状がある場合、心不全の可能性があります。そのまま放置せずにお早めに当院へご連絡ください。
心不全の原因
心不全の主な原因として虚血性心疾患(狭心症や心筋梗塞など)、または高血圧などが挙げられます。
左心室には肺から戻る動脈血を大動脈へ送りだす役割があり、心不全とは左心室の機能の低下により肺循環が障害を受けた状態を言います。これにより心拍出量が低下し、肺から流入する血液を適切に拍出できなくなると、血液が肺に溜まるようになり、肺うっ血のため息苦しさなどの症状が現れるようになります。
心不全の検査と診断
心不全の診断方法として“フラミンガム項目”というものが広く使用されています。これは左心不全によって起こる症状を大項目と小項目の2つに分け、大項目のうち2つ、または大項目1つと小項目2つにあてはまる場合、心不全と診断されます。
その他、血液検査(BNP)、胸部レントゲン検査、心電図検査、心エコー検査などの検査で総合的に診断します。
フラミンガム項目
大項目 | 小項目 | 大項目あるいは小項目 |
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発作性夜間呼吸困難 あるいは起座呼吸 頸静脈怒張 ラ音聴取 心拡大 急性肺水腫 III音奔馬調律 静脈圧上昇>16cmH2O 循環時間≧25秒 肝頸静脈逆流 |
足の浮腫 夜間の咳 労作時呼吸困難 肝腫大 胸水 肺活量最大量から 1/3低下 頻脈(心拍≧120拍/分) |
治療に反応して5日で4.5kg以上体重が減少した場合 |
心不全の治療
心不全の症状自体を改善するために薬物療法などを行いますが、同時に心不全の原因となっている疾患の治療が必要になります。左心不全の原因となる疾患として狭心症や心筋梗塞などの虚血性心疾患があり、これらの疾患に対して適切な治療を行うとともに、生活習慣を見直して進行を防ぐようにします。